<大塚家具という壮大な親子喧嘩の結末>
スターウォーズ顔負けの親子喧嘩だ。
今朝、この記事をみた。
ついに大塚家具が社外へ支援を打診し始めるらしい。
創業者の勝久氏が今に至るまでをいろいろ調べていると、感極まってきたのでここに思いを記す。
<経緯>
大塚家具は、高校定時制を卒業後、大塚勝久氏により、職人だった父ともに株式会社大塚家具センターを創業した。これが現大塚家具となる。
その後成長期に乗り、家具企業として上場。リーマンショック後は売上は右肩下がりではあったが、勝久氏の経営最終年度(2014年)は、営業CFベースで8億円+にしていた。
家具業界の門外漢からしても、業界は逆風だっただろうことは容易に想像がつく。内需の縮小、ニトリなどの大型量販店のライバルが台頭してくる中で、減りゆく売上の中で無駄なコストを削除し、業務フローや非効率な販促費の見直しなど、徹底したKPI管理をしないとこの数字は作れない。
先の見えないコストカットは本当に苦しいものだ。投資が無いと徐々に先細りになっていくのは分かっていても、目先の利益が市場より求められる。
<経営を娘さんに継承後>
1年目:営業CFが約1/3に。現金同等物が110億の遺産がある
2年目;営業CFが-50億円
3年目:昨年と変わらないペースでキャッシュを溶かし続ける。
そして結末が冒頭の記事の通りである。
自分が立ち上げた会社とは、自分の人生の集大成に近い。僕もベンチャーに携わった時は文字通り心血を注いだし、会社が大きくなること、世の中にインパクトを与えることしか考えていなかった。休んでいても仕事のことを考えてしまい、オフィスに暮らしていた。
上場企業の創業者なんて、想像つかない以上に思い入れはあるし、
何よりプレッシャーがひどい。金融機関や従業員、顧客のステークホルダー、サービス運用面、何かしらにおいて毎日トラブルが発生する。そして自分がそれら全ての責任を取らねばならない。
上場すると、株主のもの「公器」としての考え方が求められ、短期的な利益を求める株主からの要求も止むことはない。
お金なんて、とうの昔に満たされている。
なんのために自分は経営をしているのか、
それはひとえに家具業界や従業員に対しての使命感だったのだろうか、
そして、答えてきたつもりでいた株主からの背任・娘への継承。
自分が心血注いで作った100億円を資産を無残に身内に溶かされたという、あまりに残酷な結末だ。
一体何が残ったのだろうか、勝久氏は何を感じて、今新会社を経営しているのだろうか。
筆舌に尽くしがたい思いがあるのだろう。
スター・ウォーズめがねスタンド ダース・ベイダー
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