私は好きにした、君らも好きにしろ

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能力の無い人の唯一の武器は【根拠ない自信】だけだ

今年ももうすぐ終わるが、2018年、僕の周りは転職ブームであった。

Facebookだけ見てると、転職起業する人か、結婚出産する人の2パターンしかこの世にはいないのではないかと思いそうになる)

 

転職は難しい。

キャリアアップとしての一貫した転職なのか、ジョブホッパーなのか。

それを見分ける唯一の手段は

「自分の市場価値を客観視し、最適な評価をしてくれる箇所に身を置く」

というマーケット感覚を磨くということと思う。

もしくは、「市場価値が無い未経験なドメインに、経験を積むため戦略的に転職する」というパターン。

 

要は、自分が何ができて、将来何をしたいか。

現在出来ることに対しての対価と、将来やりたいことへの環境を備えた場所で働くべきだ。

 

で、結構面白いなと思ったのが、

大手企業在住の「誰から見ても仕事が出来ないが、自己評価とプライドだけ異様に高い人」が、実力か覚悟が無いと死んでしまうようなスタートアップに転職する」

というケースだ。ずっと長年大企業でぬくぬく働いていた彼(中年)は、奮起してスタートアップへ転職します!

とビジョナリーなポストをFacebookにあげていた。

 

明らかに君やばいで転職したら、って思うんだけども。

 

★★

スタートアップは、相当覚悟を持っていかないと長続きはしない。

ストックオプション、世の中を変えるサービス、やりがい・・・

そんな外的動機では、日々の仕事を耐える意志が保てる訳がない。

 

・組織図なんてなく、自分で営業から運用から経理処理から人事まで幅広く手を動かさないといけない

・金がないんで、業務委託先なんてほとんどなく自分が手を動かさないといけない

知名度がなく採用も弱いから、社員のアウトプットが低すぎる

・勤務規定なんてあってないようなもの

・残業代なんてないし、給料も支払われない可能性もある

・会社の看板を借りてのアライアンスも出来ないし、使えるコネは全部使って開拓しないといけない 

 

これらの可能性を考えて、転職したのだろうか。

(あくまで可能性であり、全ての会社に当てはまる訳ではない事を先に述べておく)

 

今の環境で、ぬくぬくと業務委託先や優秀な社員に適当に仕事をやってもらえれば、決して安くない給料を貰えるにも関わらず。

 

はじめて彼が転職する事実を知ったのは、Facebookのポストを見た時だったので、そっと言葉を飲み込んだが、転職が確定する前に話す機会があったら、本気でこれらを話したかった。

 

よく分からないが、おそらく彼の頭の中では、

「バリバリに仕事が出来る自分」の自己認識と自信があって、

そのままスタートアップでもキャリアを詰めるという確信があるのだと思う。

 

働きはじめて3日も経てば、入社時に抱いていた幻想は崩れ去る。

その時に、自分を支える屋台骨はあるのだろうか。何のためにこんな辛い思いをしているか、答えることが出来れば大丈夫だと思う。

 

 

★★

 

そうして転職をしてしまった彼であるが、スタートアップで1年も働くと、圧倒的な力が身につく。

物事の見方を変えると、こういうことだ。

 

・組織図なんてほぼなく、自分で営業から運用から経理処理から人事まで幅広く手を動かさないといけない

→業務間のつながりがシームレスに把握でき、自分が未経験の業種にも知見がつく

・金がないんで、業務委託先なんてほとんどなく自分が手を動かさないといけない

→ひたすらに実行力がつく

知名度がなく採用も弱いから、社員のアウトプットが低すぎる

→いかに、今のリソースを最大化するか、というマネジメントスキルも身につく。また、「やらないこと」を判断する力が身につく

・勤務規定なんてあってないようなもの

→会社に頼らないマインドが身につく。あと会社法とか労基に詳しくなる

・残業代なんてないし、給料も支払われない可能性もある

→同上

・会社の看板を借りてのアライアンスも出来ないし、使えるコネは全部使って開拓しないといけない 

→営業力が半端なく身につく

 

とかである。

中途半端に仕事が出来るがゆえ今の自分にできること出来ないことが見えているオッサンは、上記のリスクが見えてしまい、転職せずに今の環境に残るだろう。

 

ただそれは、リスクの裏側の莫大なリターンを得る機会を失っているということの現れだ。

 

最近は、仕事が出来ないオッサンでも、根拠の無い自信だけで修羅の環境に飛び込むのもアリかもしれないと思ってきている。

もうオッサンな訳で、今から学び直すのは相当大変だが、生き残れたら圧倒的な力が身につく訳だし。

 

という訳で、【根拠の無い自信】は一つの圧倒的な才能だなと思うしベンチャーに挑戦する全ての人は全力で応援したい。

 

根拠の無い自信や自己肯定感って家庭環境で大いに育まれるものだろうから、自分もそのように子どもを育てたいなあとも思ったり。