私は好きにした、君らも好きにしろ

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ますます貧富の差は拡大していくのか

少し前だが、ノーベル経済学賞を受賞したピケティの理論は衝撃的であった。

「r>g」

 これの意味するところは、r(資産運用のリターン)がg(経済成長率=所得の成長率)よりも高いということだ。

従来の資本主義の認識は、「資本主義の発展=格差の縮小」であったのだが、その前提がひっくり返された。

 

つまり、どれだけ働いても働いても、金持ちとの格差は開いていく一方だけなのである。

これを埋めるためには、常にブログで書いているように労働所得の中から運用資金を積み立てて行き、金にも働いてもらう必要がある。

(ピケティの理論でいうと、rを積み立てていく)

 

で、この「貧富の格差」は金融資本だけでなく、人的資本、社会資本にも同様に拡大していくというのが結論なのだが、この3つの資本の仕組みについて考察していきたい。

(3つの資本の詳細はこちら)

会社員を資産家に生まれ変わらせる3つの戦略とは? - 私は好きにした、君らも好きにしろ

 

 

 年収1,000万のエリートサラリーマンでさえも金持ちとは言えない

 

サラリーマンの生態系の一つの頂点である「年収1000万円」

国税庁民間給与実態統計調査を元にすると労働人口の4.28%のみである。(2016年度データ参照)

では、この狭き問を突破した人々は金持ちの仲間入りをしているのだろうか?

 

正解は何とも言えない。

 

要は、勤労所得だけでなく、運用面のリターンを加味できていないからである。

 

<例>

●年収1000万のAさんは銀行口座に1000万円。

=1000万(給与)+0円(運用益)

非正規社員で年収200万のBさんは銀行口座に0円。

だが相続で2億円の金融商品を手にした。

例えば、この相続をPB等で年利5%でディフェンシブに運用したとして、

=200万(給与)+1000万円(運用益:2億円×5%)

※上記税引前

 

という結果になる。

やや極端な例であるが、

長期に渡りリターンを生み出し続ける投資対象に資金を移すことは、生活を強力に支えてくれる。

 

さらに、例えばBが毎年1200万円ある収入のうち200万円を再投資するとする。

税引前1200-200=1000万円あったとしても、扶養家族がいても充分な金額であるので可能だろう。

 

そうした場合翌年のBの所得は

=200万(給与)+1010万円(運用益:2億200万円×5%)

となり、1210万円となる。

 

さらに翌年はこの210万円を運用元本に追加する。

そうした場合翌年のBの所得は

=200万(給与)+1020.5万円(運用益:2億410万円×5%)

となり、1220.5万円となる。

 

それを繰り返していく。

上記を20年間繰り返した時のBの年収は、

=200万(給与)+1619万円(運用益:3億2338万円×5%)

となり、1819万円となっている。

 

この20年間でBの所得は619万円増加したことになる。

これは通常の雇用体系だとまず不可能な増加だ。

 

そして、複利運用の特徴は、時間が経てば経つほど増えていくということだ。

労働市場はいつかは年収が頭打ちになるが、金融資産の増加は上限が無い。

 

これが簡単なシミュレーションであるが、実際に相続で莫大な資産を手にした人は僕の身の回りにもいる。

 

重要なことは

・もし大金が手に入った時に、金をコントロールできる運用力を付けること

・そのために、早めに複利で資産を増殖させる習慣を付けること 

である。

金持ちはこのようにして益々資産を増加させて行き、その金融資産は子の代へと継承されていく。

 

面白い仕事がいつもあの人に集まる理由

「面白い」というのは主観的なので、「市場で価値がある仕事=経験することで、転職や昇進の際にも有利に働く仕事」という認識でいてもらいたい。

 

誰しも職場で年に1,2回は重要なイベントがあると思う。

それは営業会社であれば昨年対比でアグレッシブな売上目標だったり、IT・メーカーなら新サービスローンチだったりする。

 

これらの言わば「会社として失敗が許されないイベント」にはどのような人がアサインされているだろうか。

間違いなくエース級社員であるはずだ。

 

これを分解すると「常に高いパフォーマンスを出し続けており、今回のアサインでも高いパフォーマンスが出る可能性が高い人材」である。

これはアサインする側からしても当たり前のことだ。

パフォーマンスにムラがある人材に、負けられない戦いを任せる訳にはいかない。

 

そうしてアサインされた人材がこのイベントを乗り越えると、その人材には「あの◯◯のプロジェクトをリードした人」という新たな評価がつく。

そうして彼らの信用は補強され、さらに面白い仕事にアサインされる確率が増える。

 

それらの仕事のトラッキングレコードは、転職市場でも評価される。

◯◯のプロデューサー/リードエンジニア/マーケッターといった位置づけで、役職付で転職も可能である。

 

ようは、一度「面白い仕事」を成功させた人間は、仕事がさらに面白い仕事を生むループに入っていくことが可能ということだ。

 

で、問題としてはアサインされない限りはこのチャンスは決して回ってこないということだ。アサインされる枠には限りがあり、椅子取りゲームのようになっている。

 

では、どうすれば良いのか?

答えは2つあって、

 

まず大前提として「いつでもチャンスを貰えるように何の仕事でも常にパフォーマンスを出し続けること」である。

 

これは言うまでもなく、凡事徹底・一事が万事である。秀吉が信長の心を掴んだように、どんなところにチャンスがあるか分からない。

 

・毎日のルーティンのレポートに自分の一言コメントを入れてみる

・引き継いだ業務フローに無駄があるので、自動化してみる

・コンビニに弁当買いにいく仕事でも、走って買いにいって半分の時間で届ける

などなんでもいい。工夫&コミットの習慣は、仕事の根本に必須のものだ。

 

ルーティーンでも雑務でも、どうせやらないといけないんであれば、今までに無いパフォーマンスを見せつけてやろう。

 

そしてもう一つの答えは、「そもそも椅子に対してプレーヤーが少ない環境で働く」ことである。これは急成長中のスタートアップが分かりやすい。

こういう、仕事に対し人材の供給が間に合っていない環境だとチャンスだらけである。

一時的に年収が下がる可能性は高いが、上昇サイクルに乗るための投資だと位置づけよう。

 

そのプロジェクトが成功して自分にトラッキングレコードが付けば、年収倍以上の待遇で他社に転職し、そこで新たな面白い仕事を勝ち取ることが可能になってくる。

 

 

社会的地位も雪だるま式に増強されていく仕組み

 

特に閉鎖性の高いコミュニティーに言えることである。

(例;VC界隈・MBAで海外留学した同期同士・経営者の有志の私塾等)

 

これらの繋がりは、参加するには一定の社会的地位が必要である。

 

だが、一度入ると閉鎖性が高い分強固であり、その中で仕事を発注し合う、信頼できる人脈・情報を交換し合うという力学が働きやすい。

 

簡単にいうと、あえてムラ社会を作っているのだ。

閉鎖的な空間にすることで、互いに悪さはできないし、力のある人間同士が集まっている分、ムラ八分になった時の社会的ダメージは大きい。

そのため、お互いにプラスに高め合うことが、互いのリターンに繋がっている仕組みだ。

 

これらのコミュニティに入ることは一般人には極めて難しい。

経験がある人もいるかと思うが、もし(偶々飲み屋で出会ったなどで)彼ら機会に話すことがあったとしても、共通言語が無すぎるが故に、会話にならないし、次に繋がることもない。

 

が、ミドル層でも身の丈にあったこれらのコミュニティを作ることは可能だ。

社会資本に繋がるコミュニティの要素を分解すると

 

・メンバー内で何か一つの共通のプロジェクトを運営し、リターンを分け合う

・マネタイズ先はメンバーではなく、外部のユーザーにする。

・メンバーの参加定義は厳密にする(そのために紹介制が良い)

・メンバーを脱退させる仕組みを作る 

 

と思う。(要は、いざという時に仕事になる質の高い関係かどうかだ)

今流行りのオンラインサロンっぽいが、あれは会費を収めることを必要としている時点で、こちらには当てはまらない。

客同士というスタンスではなく、あくまでムラの運営者同士として関わり合おう。

ムラの運営費は外部から賄われないといけない。

 

だが、ムラのメンバー集めはかなり苦難するだろう。

なぜなら実際の実力を互いに把握する機会が会社以外では少ないため、どの人員を構成員にするのか判断に悩む。

 

そのため、メンバーとの出会いをこういうサロン等で集めるのは効率的である。

客同士だとしても、擬似的にプロジェクトを実施し、価値観/スキルがフィットする人間と新しいムラを立ち上げれば良い。

 

 

 

まとめ

 

色々と書いたが、

・まずは資産運用を始め

・今の仕事にコミットし

・外部でも何かプロジェクトに参加してみる

 

という感じだ。意識高く見えるが、どれか一つやるだけでも相当人生は改善するし、いい感じにハマりそうなやつからスタートしてみてほしい。

 

確実に言えるのは

「資産運用もせず、年功序列の賃金を期待して会社にぶら下がって仕事し、会社以外に知り合いがいない」

そんな人は、一生資産を持つ側の人生を送れないということだ。