トルコリラショックは本当に終わったのか
あれから数日が経ちましたが、10%以上リラの為替レートも戻り、やや問題は落ち着いたように思う。
だが前回の記事でも書いたとおり、問題がいつ顕在化するかは読めないし、
一般的に言われている米国との対立・利上げ方針をとっても根本解決となるニュースは未だ出ていない。
しばらくダウントレンドは続くのではないだろうか。
その中で、新興国通貨に投資するにあたっての注意点をまとめた。
< ざっくり見出し>
資金管理についての追記
前回、3つのプロセスに分けて説明した。
a.資金計画
まず、自身のPL/BS(家計簿である)を見直したうえで、「毎月いくらまで投資できるか」
b.売買ルール
その上で、xx以下だとロスカットをする、という指標を立てる。
c.資金繰りの管理
bの損失額がa.を上回ったら、当月の投資は終了。
(例:毎月10万円まで追加投資できる状況だとして、100万円元金の10%を損失受けたら当月は投資終了。)
まずa.の段階で月額数万円しか余剰資金が捻出出来ない人は、
基本的に新興国通貨に投資すべきではない。
その程度の金額は、これほど変動する通貨では一瞬で吹き飛ぶ。
扶養家族の人数にもよるが、所得が上昇し始める20代後半以降で、
毎月10万以上の余剰資金が貯まらない生活の場合は、
・固定費に無駄がある
・年収が適切ではない
どちらかの可能性が高い。まずそこを見直すことが重要だ。
▼下記を参考にしてほしい。
年収が低すぎる場合、転職も視野に入れながら、専門スキルを補強する自己投資にコストを投資する方がリターンが高い。
その上で、bのロスカットだが、先程述べたよう新興国通過は、非常にボラティリティが高い。
株式のように10-20%という上下幅があることは、ドル円ではほぼありえない。
そのため、最安値の最大風速値で損切りしてしまう、というケースが起こりうることから、今後下に指値を入れ直してのロスカットはあまりオススメしない。
そのため、もし自分が未だトルコリラ通貨を買いで保有していればこの水準で損切りをする。
続き。前回の下記の記述についてだが、
ナンピンをするかどうかはリターンを高めるために極めて重要である。
これは、さらなる資金リスクを取るという意思決定なので、投資対象の単価が戻ってくれば大きなリターンをもたらす。
そのため投資対象は値戻りしないものではいけない。
リスクを取って安値で買いの指値を入れておくと値戻り+金利で回収できる可能性が出てくるが、
トルコリラについては、冒頭で述べた通りダウントレンドに入りそうな通貨
(今まで反発をせずにほぼ下がり続けている通貨)
であるため、 個人的には買いを入れていない。
トルコ:地政学リスクも秘めたまま、右肩下がりである。
比較されることの多いアフリカランド:こちらはここ数年でボックスで推移
だが、当たり前だが通貨はどこかで下げ止まる。
落ちてくるナイフを拾うのではなく、地面に刺さったナイフを抜く(反転のタイミングで買いエントリー)で充分かと思う。
まとめ
- まず資金計画部分の固定費・収入部分の改善に注力
- ロスカットの逆指値は、また一時的な安値で触れる可能性があるので、売るなら今投げる
- トルコリラは今後の値戻りがあれば、ナンピンすると高リターンだが、決してオススメする通貨ではない
- 結論買いのポジションは全部クローズ。クローズ後、反転のタイミングでエントリーを入れておくのはあり
上記、あくまで私見であり、各個人の状況により微妙に話は変わるが、
言いたいこととしては、「キャッシュポジションにする」というのも一つの立派な戦略であるということだ。
是非、投資家仲間の皆様には、
この暴風に耐えて投資の成果を上げて頂きたいと思う。
では、また。